鎌倉彫は「彫り」の技に特徴があります。
数多くの彫り技法があります。作品が出来上がるまでをご紹介します。
形・大きさ・物の用途に合わせて図案(基礎的な古典図案から創作図案など)を薄い紙に描き、カーボン紙等で木地に押し付け、下絵を写します。
写し取った下絵に沿って、小刀(こがたな)で切り込みを入れる。このたち込みの角度により、図の遠近感やボリュームなどを表現します。
たち込んだ線の外側を、小刀または平刀(ひらとう)で落とす。これにより、文様部分を浮き上がらせることができます。
文様の様々な動きを意識して、文様の前後関係や奥行、たとえば葉の裏表の表現など鎌倉彫独特の彫り表現法に従って彫り進めます。
文様部分を各種の刀で肉付けし、地の部分には文様の彫りと調和した刀痕をつける。意識的に地に彫り跡を残すのは、鎌倉彫の特徴のひとつ。
文様・図案の求める用途に合わせた彫が完全に木地に施されて、彫りの工程が終わります。
日本の伝統工芸は分業で行われることが多いものです。
鎌倉彫の場合も、木地師、彫師、塗師と分かれて、それぞれの専門家も存在します。
教室では、とにかく最初に「完全な彫」までの習得を目指します。出来上がった「彫」はおよそ三十工程にも及ぶ「漆塗りの工程」を経なければなりません。
この「塗り」の作業は、漆の性質を熟知し、かぶれる漆にも慣れた「塗師」に出して完成します。実は、塗り方にも数多くの手法があり、これはまた奥の深い世界が存在しています。
鎌倉彫は本来、寺社等の仏師の伝統から派生して今日に至っていますので、良い作品を仕上げるためには自ら木地を考え、図案を創作し、どのような塗に仕上げるか、技術全体を考えて創作します。
鎌倉彫を始められた方々も木地の調達から彫り・塗りと十数年をかけて、すべてを習得して、作品を制作される方も多いのです。
教室で制作中の白松忠道さん
白松 忠道
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